就労継続支援A型,富山市,日本社会福祉デザインセンター

デイジーとマリモ社長のつぶやき 日本社会福祉デザインセンター㈱ 就労継続支援A型 富山

富山市で就労継続支援A型事業を運営する日本社会福祉デザインセンター株式会社です。デジタルデザインを通じて障がい者の就労支援をおこなっています。

新人スタッフの課題。「職場の常識」という価値観について。

 ※こちらのブログは、富山市にある日本社会福祉デザインセンター株式会社(nsdc.inc)の日々の活動を地域の方へご紹介をさせていただくブログですが、実は社内の研修生や従業員も見るためのブログです。業務連絡的な内容も含みますがご了承ください。

 

   

   

 

はい、どうも~。

みなさん こんにちは。

NSDCの社長をさせていただいているマリモです。

本日は、新人スタッフへ向けたブログ記事となります。今回は「働く」を考えるために、いつもより重要なテーマについて触れています。従業員の皆さまの「働く」を支えるテーマですので、日ごろ何気なくやっている業務について、少しでも考えていただくきっかけにしていただきたいと思います。

 

 

 

いきなり本題ですが、

「働く」ということは、働いた対価として報酬が得られる権利が発生します。

しかし、この権利を得るためには「義務」を果たすことが必要となります。

 

 

 この義務を理解するうえで、「労働契約書」や「就労規則」は最低限の内容しか記載されていません。たとえば体調管理を万全にして、症状をコントロールして、気持ちを高めて、遅刻や欠勤がないように職場に来てください・・・・。などとは説明文はありませんよね。自分の業務をこなせるスキルが無い場合は、自分の時間を使って練習したり、勉強して必要なスキルを身につけてください。とも書かれていませんし、時間前に会社に来て待機しておきましょうとも書かれていません。

 労働者にとって「健全な労働」を提供することが、義務であることは社会の暗黙の了解であり、それは障がいがあっても免れることはできません。労働契約書や就労規則の内容を守ることは最低限の「労働」の前提であって雇用契約が行われます。

 これに加えて、会社や社会に存在している「暗黙のルール」を理解していないと、所属する会社や組織で自分に「権利のない」ことを要求をしてしまったり、やる気のない社員と評価されたりして、ストレスをため込んでしまいます。

 また会社にとっても、あなたの要求や行動が「社風に合わない」とか「コミュニケーションが取れない」とか「自己主張が激しい」など、組織内でストレスになる場合もあり、これを雇用のミスマッチと言いますが、雇用主にも労働者にもトラブルの基になって不幸な出来事と言えます。

※ちなみにNSDCでも労働契約は原則同じ効力をもちます。しかし障がいの症状が悪化している場合には、本人の意思、医師の判断、会社の判断を交えて、勤務内容、就労時間、休日の変更などを相談して臨時対応することができるようにしていますのでご安心ください。

 

 

 

では、会社の暗黙のルールとはなにか?

それは組織内で形成される道徳、マナー、社会規範、経営者や組織の考え方といった、共有される「価値観」から生まれた行動規範や業務のことです。

これが「職場の常識」といわれる暗黙のルールとなります。

 職場の常識は、業務上その職場で起こる、または起こりうる出来事を、まだ経験していない新入社員の時点では全く理解できないものです。社長が指示して誕生する場合もありますし、社員同士の間にこうしよう、こうしたいという理想の職場の姿を描くことでも職場の常識は誕生します。

 自分の所属する会社には、少なからずそういった「職場の常識」が存在することを理解しておく必要があります。また多くの常識は、それぞれの会社の職場環境で形成されていくので、自分の経験している常識とはかけ離れた常識を持つ会社も当然存在します。ですから、たとえ転職した就職先が、あなたの持つ「職場の常識」の範囲と異なる場合でも、何も疑問を持つ必要はありません。

  

 

会社の数と、同じ数の「職場の常識」が存在するんです。

 

働くとは、それぞれの会社の常識に適応しながら労働するということです。

 社会で働く義務は、労働契約、就労規則を守ることが最低限の義務であり、健全な労働を提供することと、それぞれの「職場の常識」に適応して日々の業務を行うことも求められます。

 

 

ここで、職場の常識に関して、少し例を出して考えてみます。  

例)「朝一の朝礼で、全社員の前で社訓を読み上げる。」

という職場の「常識 」があったとします。毎朝、全社員が一人一人担当が変わっていき、いづれ新入社員も担当するわけです。

 

 想像してほしいのですが、全社員の前で社訓を読み上げる行為を一度も経験していない新人スタッフにとっては、これがけっこう恥ずかしかったり、嫌だなぁと思ってしまうこともあります。では新入社員は、自分が恥ずかしいからといって、その業務を断ることができるのか?

 その朝礼の社訓読み上げが、会社の職場の日常業務であり、全社員が担当を持ちまわりしている場合には、これを断ることはできません。トイレ掃除の当番と同じようなものです。あなたにとっては恥ずかしい業務でも、他の会社で、すでにこのような労働を経験済みの新人スタッフにとっては「この会社もこういうことをしているんだなぁ」ぐらいしか思わないものです。

 ものごとの価値観は人それぞれ異なり、働くという点でいうと、多くの会社の常識に適応できる能力が高い方ほど、働きやすく、評価も得やすい能力を持っていることになります。 

  

 労働の権利と義務の視点でも、社訓読み上げという行為が、労働契約や就業規則に書かれていない場合でも、上司は会社の組織運営のために必要な命令として、新入社員に命令することができますし、あなたの「報酬」にもそれが含まれています。

 たとえ社員研修の時点や、雇用契約の時点で、そのような労働が書類に明記されていなくても、事前に知らされていないとしても、日常の業務範囲内で発生する労働として認めらています。

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 こうした職場の常識は、仕事の進め方、業務報告、トイレの使用方法、掃除当番、備品の買い出し、電話の掛け方、上司との会話の仕方など、職場のありとあらゆる場面で存在しており、多くの職場で職場経験を積んでいる方ほど、職場の「常識」への適応力が高くなります。

 

 

 NSDCでは中小企業の「職場の常識」に適応する「適応力」を、最低限の範囲内ではありますが実務経験を積みながら習得できるようにしています。掃除当番やゴミ出しの当番、休日や出退勤、業務報告、データ管理手法などがその範囲です。それらの業務の範囲でも当たり前のように「常識の範囲」と考える方もいれば、自分の常識とは違うと思う方もいるのです。

 新人スタッフの皆さんの中には、当社に来て初めて経験して「職場の常識」を習得している方もいますし、他社で経験した常識と、当社の常識の違いに戸惑っている方もいます。

 

 

 今回は、それが何が原因でそうなっているのかについて考える機会としてブログ記事としました。そしてもうひとつ、新人スタッフのみなさんと、共有しておきたい常識について記載しておきます。

 

 

それは、あなたの業務の「評価」は、会社がおこなっているということです。

 

 

 これは会社の常識ではなく、社会人として理解しておくべき「社会の常識」となります。もし自分の評価と、会社の評価が大きくズレている場合は、まだあなたは社会の常識について経験が不足しているか、適応できていないのかもしれません。

 こうした常識という価値観のズレは、どのような内容で、どのようなズレがあるのかを、上司と話しあったり同僚と会話したり、友人や親との会話の中で、他人と常識とすり合わせしていくことで、自分の価値観を適切に修正していくことができます。

 改善に向けて一人で悩む必要はなく、むしろNSDCではあなたの環境への適応力についても向上するための相談や、社内で困っている方がいれば、社員同士で働く常識に関して交流するための機会をつくったりもします。 

  

 

 職場や社会の「常識を習得する」というスキルアップを怠ったまま社会で働きはじめると、どんな職場でも他の従業員や上司との常識がヅレたまま働くことになり、ストレスが生まれ、対人トラブルが発生しやすくなります。

 転職を繰り返す方の多くは、こうした目に見えない課題へ取り組む姿勢や、考え方が育まれていない場合が多く、「自分の価値観」で「自分のことを評価する」傾向があります。職場のミスマッチは、雇用主にもあなたにとっても双方に大きな負担になりますので、まずは自分の適応力を磨くことからはじめましょう。

 

 

NSDCでは、「働く」をゼロから学ぶ機会を提供しています。

 

 新人スタッフのうちに、NSDCで職場への適応力を磨き、最低限の職場の「常識」を習得し、他者からの評価を得やすい労働を提供できるようになることが、新人スタッフにとって目に見えない課題でもあります。

 

 

今回は新人スタッフが経験する、目に見えない課題についてのお話でした。

※この記事の内容は、新人スタッフのコミュニケーション研修のテーマとなります。